がんには様々な治療方法があり、その中の主な治療法として「抗がん剤治療」があります。がんへの備えとして抗がん剤治療について知りたいという方は多いでしょう。
また、抗がん剤治療費は月にいくらかかるか、また抗がん剤の種類によって治療費は変わるのかということも気になるところですよね。
さらに、がん保険に加入してその費用を備えるべきかということについての判断も重要なポイントだと思われます。
そこで、この記事では、
・抗がん剤治療にかかる費用は月いくら?
・各種抗がん剤にかかる治療費
・抗がん剤治療費用の抑え方
・抗がん剤治療のデメリット
・抗がん剤治療のメリット
・がん保険や抗がん剤治療特約が必要かどうかの見分け方
について、わかりやすく解説していきます。
がんは日本人の二人に一人が発症し、死因の第1位の病気です。もはや他人事ではない病気ですので、その治療に関しては、しっかり理解して必要な保障を受けられるようにしておくことが大切です。
是非最後までお読みいただき、抗がん剤治療がご自身に本当に必要かどうか、しっかり判断する材料にしていただければと思います。
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参考:抗がん剤治療は月いくらかかる?
Contents
抗がん剤治療にかかる費用は月いくら?
最初に、気になる抗がん剤治療の一月にかかる費用について説明していきます。
1月にかかる抗がん剤治療費は約20万円
抗がん剤治療は、全身に対して行うことにより副作用の影響があります。
そのため、どんな薬剤をどのようなサイクルで用いるか、効果を見ながら細かく調整し、投薬期間と休止期間を組み合わせて行うのですが、この1回の組み合わせを1コースといいます。
1コースには6週間ほどかかることが多く、費用は30万円程度になります。よって、単純計算となりますが、4週間(=1ヵ月)で約20万円の抗がん剤治療費がかかるということがわかります。
しかしながら、この1コースでがん細胞がなくならない場合は、2コース、3コースと繰り返されることもあり、費用もその分かさむため、抗がん剤治療は総額100万円程度かかると見込んでおく方がよいでしょう。
費用負担限度額
70歳未満の成人であれば、保険診療費用は3割負担となります。ただし、保険診療にならない先進医療による治療費用やベッド代などは全額自己負担となることに注意しましょう。
患者の身体の大きさで抗がん剤の費用が変わる
抗がん剤に用いられる投薬量は、身長と体重を元に割り出されます。
そのため、子供より成人、女性より男性、高齢者より青年などのように、体の大きい方が投薬量も増え、費用も高くなる傾向にあります。よって、1月に抗がん剤治療は約20万円かかると先述しましたが、これはあくまで平均であり、実際は体の大きさによってその額はいくらか変化するということも頭に入れておいてください。
抗がん剤治療の概要
次に、抗がん剤治療とはどういうものかについて、見ていきましょう。
抗がん剤治療とは、がんが増えるのを抑える、成長を遅らせる、また、転移や再発を防ぐことを目的とする化学療法です。
局所に対しての治療ではなく、全身に対してがん細胞を破壊する効果があるため、特に、がんの転移が進んでいるような場合に効果があります。
抗がん剤治療には副作用が伴い、最も頻繁に現れる副作用は、吐き気、脱毛、白血球減少などですが、その起こりやすさは抗がん剤の種類や、個人差によっても異なります。
さらに、抗がん剤治療には即効性がないため、どうしても治療に時間がかかってしまいます。
がん治療には大体どのくらいの日数がかかるのでしょうか。
メットライフ生命が調べたデータを見てみましょう。
がん治療にかかる期間 | |
半年未満 | 55.5% |
半年~2年 | 24.4% |
2~5年 | 9.2% |
5年以上 | 7.8% |
出典:2014年11月 メットライフ生命調べ(がん罹患者またはがん罹患経験者のアンケート結果、n=5,153)
最も多いのは、半年未満で55%となっていますが、5年以上の長期にわたる治療も7.8%あり、がんの種類やその方の病状などによっても、その期間は変わってきます。
そのため、抗がん剤治療の費用は一概にいくらくらい、とはなかなかいいづらいのです。
各種抗がん剤にかかる治療費
抗がん剤による治療と一概に言っても、使用する抗がん剤の種類によって月にかかる抗がん剤治療費は変わってきます。
一例をあげると、大腸癌に対してよく利用される抗がん剤のアイソボリンは、25mgの小瓶が2109円、100mgの瓶が7343円となっており、自己負担額は3割負担なのでそれぞれ630円、2200円となります。一般的な体格の方は1回の治療でこのアイソボリンを150mg使用するので、抗がん剤治療額は1回につき11561円、自己負担額を計算すると3469円となります。
その他の抗がん剤各種費用が気になる方はこちらのサイトをご覧ください。
参考:熊本大学がん相談支援センター
抗がん剤治療費用の抑え方
上で述べたように、抗がん剤治療には多額の費用がかかりますし、治療期間中の生活費なども考えておかなければなりません。
治療費を少しでも抑えるにはどのような方法があるか、見てみましょう。
がん保険にはがん治療費が保障される特約を付帯する
がん保険に加入していれば、抗がん剤治療の保障も受けられるのではないか、と思ってしまうかもしれません。
ですが、通常のがん保険では、がんと診断された時に給付される診断給付金、入院した時に給付される入院給付金などが主な保障で、主契約のみでは抗がん剤治療の保障がないものがほとんどです。
がんの治療法にはいろいろな種類がありますが、最も多いのは三大治療と呼ばれる「手術」、「放射線療法」、「抗がん剤治療」の3つで、厚生労働省の調査によると、それぞれ以下のような割合になっています。
出典:厚生労働省委託事業. 平成 22 年度 がん対策評価・分析事業. あなたの思いを聞かせてください! がん対策に関するアンケート調査
http://ganseisaku.net/pdf/inquest/gantaisaku.pdf
このデータを見ると、抗がん剤治療を含む化学療法は最も多い80.5%となっていることがわかります。
また、2017年にアフラックが行った「がん罹患者およびその家族へのアンケート調査」によると、三大治療のいずれかの経験があるのは、95.6%となっています。
従って、万が一がんになったときの治療のためには、抗がん剤治療給付金を含む、三大治療の特約をつけておくのがよいかもしれません。
公的医療保険の利用をする
公的医療保険は、病気やケガをしたときに医療費の自己負担額が軽減される制度です。
主なものには、自営業者などが対象の国民健康保険と、会社員などが対象の健康保険があります。
6歳以上69歳以下の方は3割、70歳以上74歳以下の方は2割(70歳以上であっても現役並み所得者は3割)、未就学児の場合は2割負担となっており、実質の医療費はかなり抑えられます。
しかし、以下のような費用は自分で負担しなくてはなりません。
・先進医療での技術料
・承認医薬品の投薬
・承認医療機器の使用
・差額ベッド代・室料
・食費
・病室のテレビ代など
傷病手当金を利用する
また、入院中などで仕事を休む場合の収入の保証として、会社員や公務員の方であれば、傷病手当金の制度が利用できます。
傷病手当金が給付されるには、
・健康保険の加入者であること
・業務外の事由による病気やケガなどで、働けなくなったこと(医師の判断が必要)
・連続する3日間を含み、4日以上働けなくなったこと
・働けなかった期間について給与の支払いがないこと
などの条件があります。
支給金額は休業の4日目から1年6カ月を限度として、日給の2/3相当額となっています。
高額医療費制度を利用する
公的医療の1ヶ月あたりの自己負担には限度額があり、それを超えるような高額の治療の場合は、高額療養費制度を使って、超えた部分が後日戻ってきます。
高額療養費制度による自己負担額は、年齢や所得によって異なるのですが、例えば、70歳未満で、標準報酬月額28万円~50万円の方が、100万円の治療費がかかった場合、自己負担額は9万円弱となります。
抗がん剤治療のデメリット
次に抗がん剤治療のデメリット・メリットを紹介します。
これまで抗がん剤治療費に関して説明してきましたが、高額だと感じた方もいらっしゃるでしょう。そのような方は以下のデメリット・メリットを参考にして。もう一度自分にとって抗がん剤治療が必要かどうか考えてみてください。
抗がん剤の効果が消失
抗がん剤治療はがんを一度に取り除く手術や放射線治療とは違って治療び長期の時間を要します。抗がん剤治療は回数を重ねるにつれてあまり効かなくなってしまうという特徴があります。
副作用が生じる
近頃は医療の発達により、以前と比べて副作用は比較的小さなものになっていますが、抗がん剤治療は正常な細胞にも悪影響を与えてしまうので、副作用の発生自体を避けることは不可能です。
新たながんが生まれる可能性がある
抗がん剤治療は正常な細胞に対しても影響するので、それらががん細胞へと変化するケースもあります。
抗がん剤治療のメリット
転移や再発の予防効果がある
抗がん剤治療は全身のがん細胞に働きかけるものなので初期のがん細胞に対しても効果があり、結果としてがんの転移・再発の防止に繋がります。
通院治療が可能
医療技術の発達により抗がん剤治療による副作用は従来よりも小さくなったため、通院治療が可能となる場合も少なからず出てきました。
手術や放射線治療の補助として効果がある
手術や放射線治療が難しいがんの場合、抗がん剤治療によってがんを小さくすることでそれらの治療が可能となります。
抗がん剤治療と手術・放射線治療の併用が最も効果的ながん治療方と言えます。
がん保険や抗がん剤治療特約が必要かどうかの見分け方
上で述べたように、公的医療保険を使えば自己負担額は主に3割、自己負担限度額を超えた場合でも高額療養費制度を使えば実際の負担額はかなり抑えられることがわかりました。
また、勤務先の傷病手当金の制度を使えば、ある程度の収入も保証されます。これらの公的な保障があれば、がん保険に入る、また、加入したとしても抗がん剤治療の特約などをつける必要はないのでしょうか。
確かに、上で述べた制度などを使えば、最低限またはある程度までのリスクは回避できるでしょう。しかし、それだけで十分かどうかは、その方の状況によって変わってきます。
貯蓄が十分に用意されているか?
公的医療保険はその治療費しか対象にならないため、それ以外の費用に関しては、ご自身で負担しなければなりません。
また、自営業の方などは傷病手当金の対象にはならないので、当面の生活費用なども必要になるでしょう。
このような公的医療保険での保障以外の出費を、十分にカバーできるだけの貯蓄がある場合は、がん保険の加入や抗がん剤特約は必要ないといえるかもしれません。
これ以上保険料が増えても大丈夫か?
また、既にがん保険または医療保険に加入している方にとっては、新たにがん保険や、抗がん剤特約をつけると、月々の保険料がそれだけ増えてしまいます。
がん保険は掛け捨て型のものが多いため、がんにならなかった場合は、保険料を無駄にしてしまうことになります。
無駄になっても安心料と思えばよい、という考え方もあるかもしれませんが、保険料が無駄になるくらいであれば、その分、貯蓄にまわす方が合理的ともいえます。
その方の考え方にもよりますが、既にがん保険やなんらかの医療保険に加入している方は、新たに抗がん剤治療の特約をつけるよりは、貯蓄する方がよいのではないでしょうか。
一家の大黒柱か?
家族を抱える一家の大黒柱の方の場合、たとえ傷病手当金などが給付されるとしても、住宅ローンやお子さんの教育費など、それだけではとうてい賄うことはむずかしいかもしれません。
この場合は、がん保険や抗がん剤治療の特約はつけておく方が安心といえます。
どのような働き方をしているか?
会社員や公務員の方は、傷病手当金の制度が利用できますが、自営業の方はその対象ではありません。
そのため、自営業の方ががんになって、入院、治療が必要になると、最悪の場合、収入が途絶えてしまうリスクがあります。
万が一の時のダメージをなるべく少なくするためにも、自営業の方などは、がん保険や抗がん剤治療の特約をつけておく方がよいかもしれません。
生活リズムは正しいか?
がんの原因には様々な要因が考えられますが、生活習慣による要因が大きいともいわれています。
我々は、様々なストレス、運動不足、喫煙や過度の飲酒などの状況にさらされがちです。できればこれらを改善し、規則正しい生活ができればいいのですが、なかなかそうもいかないでしょう。
そのような場合は、がん保険、抗がん剤特約をつけておくと少しは安心でしょう。
まとめ:抗がん剤治療にかかる月額
ここまで、抗がん剤治療は月にいくらかかるのかについて解説してきましたが、もう一度、簡単におさらいしてみましょう。
・抗がん剤治療にかかる費用は1月およそ20万円
・抗がん剤治療の総額は、治療の期間、投薬量(患者の体の大きさによる)にもよるが、100万円程度で高額
・即効性がないため、どうしても治療に時間がかかる
・費用の抑え方は、特約をつけたり、公的医療制度、傷病手当金を利用
この記事の結論は、抗がん剤治療には1月約20万円と高額な費用がかかり、その費用は公的医療制度や傷病手当金により抑えることができる、ということです。
万が一がんになったときのために、必要な保障を受けられるよう、抗がん剤治療だけでなく、その他の保障に関しても幅広く検討することが大切です。
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参考:静岡県立静岡がんセンター